「ホームレスにお金をあげるな」
語学学校に通っていた当時、先生が僕に教えてくださったことの一つ。
カナダのバンクーバーへ初めて来た時にさまざまなことを感じましたが、その一つは思ったよりもホームレスがいるでした。
あるホームレスは上半身裸になりながら、お茶碗のような小さい入れ物を目の前に置き、手を重ねてお金をくださいと言っているホームレスもいました。
かわいそうなホームレスがいるバンクーバーでなぜ語学学校の先生は「ホームレスにお金をあげるな」と僕に伝えたのか納得する理由をこの記事でお伝えします。
2017年からカナダのバンクーバーに在住して、ここ最近はホームレスのたまり場の Hastings Street(ヘイスティングス・ストリート)の近くに住んでいますので、バンクーバー現地のホームレス事情もお伝えできると思います。
カナダのバンクーバーへ旅行や留学、ワーホリで訪れることを検討している人は嫌でもバンクーバーにいるホームレスを目の当たりにしますので、この記事が初めてバンクーバーへ渡航する人に参考になれば幸いです。
目次
なぜ語学学校の先生はホームレスにお金をあげるなと言ったのか
なぜ語学学校の先生はホームレスにお金をあげるなと言ったのか。
理由は「もらったお金でお酒やタバコ、大麻や違法ドラッグなどを購入するから」でした。
もちろんすべてのホームレスが上記のような嗜好品などを購入するわけではありませんが、基本的に嗜好品の購入のためにお金を求めています。
カレッジに通っていた当時の先生が、ホームレスの人がお腹が空いているからお金をくれと言われました。
先生はお腹が減っているのならご飯を買いに行こうと言いましたが、買いに行かなくてもいいからお金をくれと再度言われました。
先生が「お金をあげるから本当のことを教えてくれ、あなたは本当はマリファナが買いたくてお金が欲しいんでしょ?」その質問にホームレスは「Yes」と答え、先生はお金を渡さずにその場を立ち去りました。
これは一つの例に過ぎませんが、このようにお金を求めるホームレスの方がたくさんいます。
現にアンケートに回答した60%のホームレスの方が、依存症(薬物、アルコール、タバコ、ギャンブルなど)のようです。
Among those reporting a health condition, 60% reported an addiction (including substances, alcohol, cigarettes, gambling, etc.).
News Release: Full report on the 2020 Homeless Count in Metro Vancouver provides new details on homelessness prior to the pandemic – BC Non-Profit Housing Association
そしてカナダ政府やバンクーバーが属するBC州はホームレスに直接お金をあげることを推奨していません。
初めてバンクーバーへ訪れた旅行者や留学生、ワーホリの方はホームレスにお金を渡さなくても大丈夫です。
むしろ可哀想と思ってお金を渡してしまうのが良くないので、気にせずにその場を通過しましょう。
ホームレスはどのような補償がされているの?
お金を渡さないとホームレスの人も生きていけないのではと思うかもしれませんが、ホームレスの人はさまざまな補償がされています。
例えば
- 食物や衣服などの寄付(Free and low-cost resources)
- ホームレスが居座る地域の清掃ボランティア(Neighbourhood Cleanup Party | City of Vancouver)
- 特定の人、団体がホームレス問題を扱う組織などへの寄付(Homelessness Action Week grants | City of Vancouver)
- 手頃な価格の住宅(Supportive housing for homeless and at-risk residents | City of Vancouver)
などがあります。
ご飯も無料で食べれたり、値段が安い住まいに滞在できたり、衣服も無料で提供されますので、生きる上での最低限の生活は保障されています。
なぜバンクーバーにはホームレスが多いのか?
僕は「なぜバンクーバーにはホームレスが多いのか?」と語学学校の先生に尋ねたところ先生は、「トロントなどの違う地域からバンクーバーへ移住するホームレスがいるから」と答えてくれました。
2020年時点でバンクーバー周辺にいるホームレスは3,634人おり、アンケートに回答された58%(1,003人)の方はBC州以外の地域かBC州へ移住をしているようです。
A total of 3,634 people were identified as experiencing homelessness in the Metro Vancouver region during the 2020 count.
For those who indicated they had not always lived in their current community, 58% (1,003 individuals) had come from elsewhere in B.C.
News Release: Full report on the 2020 Homeless Count in Metro Vancouver provides new details on homelessness prior to the pandemic – BC Non-Profit Housing Association
トロントなどの東の地域とバンクーバーがある西の地域を比較すると、西側の地域の方が夏も暑すぎず、冬も寒すぎないので気温の点からは住みやすい環境であることは間違いないですね。
またホームレスが多いその他の理由としては
- 不動産価格の高騰
- 児童福祉
- 依存症
- 貧困
などの原因が挙げられています。
依存症だけではなく、さまざまな原因が重なってホームレスになってしまうようです。
僕が出会って驚いたホームレスと唯一お金を渡したホームレス
バンクーバーに在住している4年間で特に驚いたホームレスと僕が唯一お金を渡したホームレスを紹介します。
上半身裸になりながらお金をせがむホームレス
バンクーバーのダウンタウンに出没するあるホームレスは上半身裸になりながらお金をせがっていました。
夏はもちろん、冬も薄着でお金をせがむ彼は多くの方からかわいそうと思われ、お金を貰っていました。
ある日、一人の女性が彼に「お前は嘘つきだ、絶対にお金はやらない」と言っている姿を見かけ、僕は疑問を持ちました。
「なぜ嘘つきなのか?」
後日、上半身裸のホームレスを見たときなぜ嘘つきなのか僕は納得しました。
それは真冬の寒い中、上半身裸の彼がお金をせがんていた場所から移動するときに起きました。
上半身裸だった彼は近くのゴミ箱に隠してあった温かそうなジャケットを着て、その場を何事もなく去りました。
それはもともと彼のジャケットで彼はジャケットをゴミ箱の中に隠して、お金も何もないホームレスをアピールしてお金をせびていたからです。
初めて彼を見る旅行者の方はかわいそうにとお金を渡していましたが、それは彼の策略でした。
唯一お金を渡したホームレス
カナダでホームレスにお金を渡したのは一度きりです。
友達とバーでお酒を楽しむなかで、一人の女性友達がタバコを吸うと外に出ました。
僕はタバコを吸いませんが、一人では不安だろうと思い一緒について行きました。
その女性友達からライターを持っているか尋ねられ、タバコを持っていない僕はもちろん持っていないと伝えました。
その時に颯爽と現れたホームレスが僕がお金をあげたホームレスです。
彼は僕たちにライターを持っているのか尋ね、無いと答えたら慣れた手際でタバコに火をつけました。
この時僕は彼のジェントルマンとして尊敬して、お礼に持っていた$5札を渡しました。
僕は基本的にホームレスには絶対にお金を渡しませんが、困っていた時に助けてくれたホームレスは別です。
ジェントルマンなホームレスも僕たちも満足して無事に友達はタバコを吸うことができました。
まとめ
今回は「カナダのホームレスにお金をあげるな」について紹介をしました。
カナダに旅行や留学、ワーホリで訪れる人はホームレスのためと思ってお金をあげないようにしましょう。
ホームレスの人の中には犬を飼っていて、お金をあげたいと思わせる気持ちになりますが我慢をするのが大切です。
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